平成14度
熟年大学
第九回
一般教養公開講座
於:Sayaka小ホール
平成15年2月20日
【邪馬台国論】
-古代国家の成立-
講師
大阪府立堺工業高校教諭
前田 晴人 氏
歴史学の最も大きな社会的な貢献の一つは、その国の国家のの成立事情であると思います。人間の一生をある意味で決定づけるものがその誕生のあり方であるとすれば、ある国家の成立事情もその国家の歴史を運命づけている面があると考えられます。 日本という国家がいついかなる経緯で誕生したか、その場合やはり焦点は邪馬台国になるだろうと考えます。 実証的に史実を一づつ明らかにしながら、邪馬台国問題を日本国家の誕生と成立史という観点から見ていく必要があるかと考えております。 私は以前から邪馬台国は、三輪山麓に所在したと考えてきましたが、女王卑弥呼の宮室もそのいずれかの地域にあったものと推定されます。 女王が創祀した祭りが何なのかを解説しながら、邪馬台国中枢の在処を探索しています。 |
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講演の大綱 I 古代国家の成立
II 倭国と邪馬台国
- 国家とは何か
エンゲルスの国家論・・国家の基本的属性レーニン の国家論・・階級対立の非和解性の産物
- ヘーゲルの国家論
- マルクス主義の国家論
- 東アジアにおける古代国家の成立
- 中国における世界帝国の成立と興亡⇒外圧
- 周辺諸民族ー中国文明の影響(稲作・金属器・政治思想)ー私有財産の形成と階級対立の発生 漢字
- 内部矛盾の激化
- クニの急速な成立とその統合
- 流通機構の集権化と租賦の成立
- 慣習法と身分(王・大人・下戸・奴婢)
- 王に仕える原始的官人の存在
- 冊封体制への依存(王の成立)
- 王の権力の源泉
- 威信財の獲得
- 王権及び倭国の誕生・・・前漢王朝との関係
- 北部九州における王権の誕生(紀元前一世紀)
- 奴国王の覇権ー志賀島出土金印(57年)
- 伊都国王への権力移動ー倭国王師枡(107年)
- 邪馬台国をどう位置づけるか・・魏王朝との関係
- 邪馬台国の原形の成立ー二世紀初頭頃・・王の登場
- 邪馬台国の成立ー二世紀末頃(纏向遺跡)倭国大乱
- ヤマト王権の成立ー三世紀初頭(古墳の築造)ー倭国(女)王卑弥呼の登場
- 狗奴国との戦争ー三世紀中葉から後半
- 王位の世襲と王権の確立ー三世紀後半から四世紀初頭
- 私の【邪馬台国論】
- 御伽話しへの着目ー説話の成立基盤
- 【一寸法師】の起源・・・住吉神話
- 【桃太郎】の起源・・・・・吉備国征討伝承
- 【浦島太郎】の起源・・・常世国への旅(丹後)
講演舞台裏側をチョッと覗いてみませんか
一般教養公開講座を受講の皆さんは、正面席から向き合って諸講師のお話を聞いていますが、今日は講演を支える舞台裏の動きをご紹介します。 | |
舞台の袖からみた講師先生の横顔。 ほぼ二時間立ちっ放しで講演が続きます。 講演を飾る活花は、毎回季節感あふれる美しい舞台感覚を演出してくれます。 |
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プレ開校講座からずっと司会を担当する川口さんは、講師のお話を舞台袖の暗い廊下でノートして講演要旨をまとめています。 舞台袖の廊下は結構寒い。 |
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照明、音響を担当するSayakaホールの責任者の西山さんも、 講演中、音響レベルや舞台画面をモニターしながら、進行状況をチェックしています。 |
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ホール外のホワイエでは、受講者の皆さんがお帰りになる際の参考資料配布の準備をしています。 | |
【さあ、そろそろ皆さんお帰りでっせ】と今日の受講案内配布担当デスクの森さんと長町さんがスタンバイ。 |
2月講演舞台活花
この講演要旨は、
当日一般公開講座にご欠席者への参考に供するサイトです。
どうぞご利用ください。